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【陸王/池井戸潤 作】
創業から100年以上続く足袋屋の4代目社長・宮沢（役所広司）は現代のニーズは少ないながらも細々と足袋製造をし、伝統とまもっている。
しかし、資金も底をつきかけ、従業員へ残業をさせながらも十分な給料が払えない現状であった。
同然銀行からも融資も厳しく、融資担当の銀行員・坂本は宮沢の人柄を買って融資に応じていた。
そんな時、坂本からこはぜ屋の将来を考え、足袋を生かした経営拡大について提案される。そのアイデアが足袋を部ベースにしたランニングシューズだった。
簡単にできると思っていたのも束の間、次々と課題と難題が降りかかってくる。
その度に悪あがきのする、宮沢は乗り越えてきた。
シューズのソールはシルクレイを開発した飯山が、アッパー素材は駆け出しの織物産業、タチバナが、個別のシューズ作成には、シューフィーッターの村野まで参入してきた。
ここまで、豪華なメンツが陸王の開発・製造にたずわさってきたが、まさかのアトランティスの邪魔が入り、陸王は開発の振り出しに戻る。
まして、シルクレイ製造装置まで故障し、出世頭であった、「足軽大将」の製造・納品まで窮地に追いやられる。
毎回、試練と苦難、そして乗り切った後のかすかな希望が見え隠れするのであるが、常にこはぜ屋は資金面で苦しめられている。
最終回を目前に、とうとう、大企業からのこはぜ屋の買収鼻話までスケールが拡大し、展開する。
もう、ここまでだろう、こはぜ屋は。さすがの社長・宮沢も買収に応じ、こはぜ屋がなくなっても、従業員という存在、技術や伝統は残り続けると意地をはるものの。
またしても、いつもの悪あがき。常に何かと登場する坂本と共に買収話にストップをかけ、逆にこはぜ屋に支援をしてほしい、という展開。
見ている側としては、本当に悪あがきも程ほどにしなさい、と感じますが、それだけの熱意が代々受け継がれた家業だけあって譲れないこととはわかります。
だけど、本当に買収に応じなくて良かったのか。
また授業員や家族を路頭に迷わせないか、とハラハラします。
一難去って、また一難、とはまさにこのドラマにぴったり合う言葉。
次回は最終回となりますが、陸上の主人公でもある茂木選手そっちのけで、こはぜ屋の行く末に注目してしまいそうです。